社長に「面白いプレスリリースを出したい」という意味不明な相談をされたので、イカれた写真を撮った
おはようございます。エハラミオリです。
文字通り忙殺される日々を過ごしておりますが、そんな中で斗和キセキや蒼乃ゆうきを運営しているPictoriaの社長からこんなご相談を受けました。
「1億円の資金調達が決まったという旨のプレスリリースを出したいんだけど、面白いプレスリリース出したいから、なんか面白くしてほしい」
何の為に????????????????
別にいいじゃん。バーチャルYouTuberの運営やってる会社がなんと1億円も投資して頂いたという事実ですでに結構なギャグなんだから。Vティークやら何やらで限界スレスレになってる僕を”死”へ突き落とすのがこんな仕事では、親も浮かばれないというものです。
・・・しかしながら僕もお給料を頂いている身。社長から直々のお願いとあっては断れないでしょう。この依頼からプレスリリースまで1週間しか猶予がないという状況には半ばキレかけましたが、それでも達成してこそプロというものです。
しかし、冷静に考えてプレスリリースを面白くするのって不可能じゃないでしょうか。
文章はきっちりと大真面目なものが用意されてるわけですし、中身を捻じ曲げてしまっては会社の信頼も危険に晒されてしまいます。もし横から何かを差し込むとすれば、例えば”強め”の写真を撮って視覚的に殴るしかありません。
強めの写真を撮って視覚的に殴るしかありません。
強めの・・・
強い写真があれば、社長も強く見えますし、ひいては会社の強さに繋がることは間違いないはずです。というワケで、強い写真を撮って「強い会社」をアピールすべく、早速買い出しへと出かけました。
タクシーに乗り込み、渋谷のドンキへと到着。連れてきた優秀なスタッフ2名と共に、撮影で使えそうなものを購入していきます。
・・・と思ったのですが、連れてきたスタッフが開始数分で二人ともオレンジ色のサイリウムを購入しようとしていたことが発覚し、残念ながら戦力外通告をすることとなりました。どうやら僕一人の力でなんとかするしかないようです。
僕にはドンキに来るまでの数分間で練り上げた完璧な作戦がありました。それは・・・
ゲーム制作エンジンであるUnityのコスプレです。どういうことかというと、
Unityやモデリングソフトでよく見かける、これを作ります。「Uniuty 座標軸 名前」などで片端から検索をかけても名前がわからなかったので、ここでは「カラフル棒」と呼ぶことにします。
このカラフル棒さえ作ることができれば、あたかも現実世界がゲームの制作風景のように見えるのは間違いないでしょう。そうなれば、Pictoriaの理念である
「バーチャルと現実の境界をなくす」
という絶妙にダサいスローガンを体現することができます。リアルアバターを作るよりはよっぽどお手軽なはずです。
僕が準備に必要なものを買いそろえて他の二人と合流すると、またしても二人そろって恐竜のおもちゃを購入していることが発覚した上に、お会計がそれぞれ8000円を超えていたので、無視して僕だけタクシーで帰りました。
さて、早速カラフル棒を作っていきます。まずはカラーコーンに赤、青、緑のカラーテープをぐるぐる巻きにして矢印部分を作ります。本当はスプレーなどを使いたかったのですが、何故かドンキでスプレー塗料が見つからず、また1分1秒でも早くこのクソくだらない仕事を片したかったので手近にあったカラーテープで代用しました。
こんな感じです。明らかに仕事が雑ですが、誰が僕を責められましょうか。
ちなみに中を覗いたら一発で不安な気持ちになったのでシェアしておきます。
次は針金を使って棒部分を作っていきます。何故針金を利用したかというと、適当に買ったので理由は特に無いです。僕自身「なんで針金を利用したんだろう」という気持ちに苛まれながら制作するハメになりました。
途中童心に帰りながらも制作を続け・・・
完成
早速これを使って、現実世界に3Dモデルを召喚してみます。
お、親方!!!!部屋に3Dモデルが!!!!!!
完璧です。どこからどうみてもUnityのエディター画面にしか見えません。矢印の先をドラッグすれば、今にもその方向へスライドしていきそうな空気を纏っています。
余った時間で制作した「当たり判定の無い椅子」も、”3Dモデル感”をバッチリと引き立てています。カラフル棒が僕の股間に突き刺さっているのはこの際目をつぶりましょう。
次は実際にプレスリリース用の撮影環境を作っていきます。ドンキに連れていったスタッフが買ってきた8000円分の虚無も余り倒していたので、使っていきたいと思います。
まず、トリケラトプスとティラノザウルスのおもちゃは、
勝手に首をつけかえてティラケラザウプスにしてやりました。古代生物を現代に蘇らせる技術と、二つの動物を合成させるキメラ技術によって生み出された最強のモンスターです。人間のエゴを体現しているようにも思えます。
しかし、ティラケラザウプスは非常に気性が荒いので、麦わら帽子で視界を奪っておきました。これで安全に撮影を行うことができます。
また撮影部屋に「タピオカが丸々残った飲みかけのタピオカミルクティー」という現代社会を痛烈に批判するアイテムが置いてあったので、窓際にセッティングしておきました。
これで撮影すれば・・・・
完璧です。インパクトはあるが写真の要素から何も読み取ることができない、ただシンプルに強い写真を撮ることに成功しました。
撮影直前に思い付きで配置した「防火用バケツの前で焼き鳥を食べながらシャンプーする人」も、うまい具合に画面を散らかしています。
僕はドライブ用のクッションを腰に巻くことで「腰のコライダーがヤバい人」を表現し、さらに3Dモデル感を強めることに成功しています。
養命酒こと蒼乃ゆうきは突如として撮影部屋に乱入し、
レッドフレーム改こと斗和キセキは「お前が室内にいるとバズる」という理由で外に締め出され、
社長はちょっと浮いています。
ちなみに社長が持っているのはペット用のリラックスマッサージ用品なんですが、
「これいいじゃん」とか言いながら普通に首をほぐしていて「あ~あ」という気持ちになりました。
ということで、強い写真を撮ることに成功しました。これをプレスリリースの写真として使えば、誰もが「この企業は1億円の投資を得られるに値する会社だ」ということを理屈ではなく本能で理解してくれることでしょう。
実際にこの写真が使われたプレスリリースはこちらです。弊社では現在、ドンキでオレンジ色のサイリウムや恐竜のおもちゃを買わない優秀なエンジニアを募集しております。
僕からは以上です。ありがとうございました。
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